ゆれる

あの橋を渡るまでは、兄弟でした。

オダギリジョー 香川照之

原案・脚本・監督/西川美和

兄と僕は、どこかでつながっているんだと、思っていました───、これまでは。

東京で写真家として成功している猛は、忙しくも自由気ままな生活をしている。一方、地方に残り実家の商売を継いだ兄の稔は幼い頃から温和で誠実な人柄だが、いまだに独身で父親と2人で暮らしている。母の一周忌で久しぶりに帰郷した猛は、稔と、ふたりの幼なじみの智恵子と3人で近くの渓谷に行った。兄弟が幼かった頃、よく両親が連れてきてくれた場所だが猛はそのことを憶えていない。懐かしい場所ではしゃぐ稔。稔のいない所で、猛と一緒に東京へ行くと言い出す智恵子。だが、渓谷にかかった吊り橋から流れの激しい渓流へ、智恵子が落下してしまう。その時そばにいたのは、稔ひとりだった。兄をかばうため稔が奔走する中、稔の裁判が始められる。事故だったのか、事件なのか。猛の前で、稔は次第にこれまでとは違う一面を見せるようになる。兄は本当に自分がずっと思ってきたような人間なのだろうか。当たり前と思い疑いもしなかった事柄の裏面が見え隠れし、裁判が進むにつれて猛の心はゆれていく。やがて猛が選択した行為は、誰もが思いもよらないことだった───。

兄弟と呼ばれるその絆はどこまで確かで、そして脆いものなのか。一度離れてしまったふたりは歳月を越えて再び出会えるのだろうか。記憶はいかに人をだますものか。人と人が繋がることには、どんな可能性があるのか。7年後、喪失の中で猛は再び「真実」について大きくゆれることになる。

場面写真 場面写真
DVD
DVD発売中
3,990円(税込)

発売・販売元:
バンダイビジュアル

137分(本編119分+特典映像18分)
ドルビーデジタル(ドルビーサラウンド・一部ステレオ)
片面2層/16:9(スクイーズ)/ビスタサイズ
一部スタンダード/英語字幕付(ON・OFF可能)

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2006年 カンヌ国際映画祭 監督週間正式出品

第61回毎日映画コンクール 日本映画大賞 / 録音賞(白取貢)
第49回ブルーリボン賞 監督賞(西川美和)/ 助演男優賞(香川照之)
第80回キネマ旬報ベスト・テン 日本映画ベスト・テン第2位 脚本賞(西川美和)/ 助演男優賞(香川照之)
第31回報知映画賞 最優秀助演男優賞(香川照之)
第21回高崎映画祭 最優秀監督賞(西川美和)/ 最優秀主演男優賞(オダギリジョー、香川照之)
第28回ヨコハマ映画祭 作品賞 / 監督賞/ 脚本賞(西川美和)/ 主演男優賞(香川照之)
第30回日本アカデミー賞 優秀主演男優賞(オダギリジョー)/ 優秀助演男優賞(香川照之)
第16回東京スポーツ映画大賞 作品賞 / 監督賞(西川美和)/ 助演男優賞(香川照之)/ 新人賞(木村祐一)
第30回山路ふみ子映画賞 新人女優賞(真木よう子)
第49回朝日ベストテン映画祭 日本映画1位
第2回おおさかシネマフェスティバル賞 日本映画ベストテン第1位  他

原案・脚本・監督:西川美和

出演:オダギリジョー/香川照之/伊武雅刀/新井浩文/真木よう子/木村祐一/ピエール瀧/田口トモロヲ/蟹江敬三

製作:川城和実/重延浩/八木ヶ谷昭次 企画:安田匡裕/是枝裕和 プロデューサー:熊谷喜一 撮影:高瀬比呂志 照明:小野晃 録音:白取貢 美術:三ツ松けいこ 編集:宮島竜治 キャスティング:田端利江 助監督:久万真路 制作担当:白石治 制作プロダクション:テレビマンユニオン

スチール:日下将樹 音楽:カリフラワーズ 主題歌:「うちに帰ろう」オリジナル・サウンドトラック:RD RECORDS 小説:「ゆれる」西川美和著(ポプラ社刊)

製作:「ゆれる」製作委員会(エンジンフイルム、バンダイビジュアル、テレビマンユニオン、衛星劇場)配給:アスミック・エース (カラー/1:1.85/ドルビーSR/119分)

©2006「ゆれる」製作委員会